入稿前に残すべきものは、制作途中の一ファイルではなく「編集へ戻れる元データ」「内容を固定したPDF」「実際に送ったZIP」の三層です。同じ場所で上書きを続けると、いつ何を印刷したか証明できません。役割ごとに分け、版番号で結びます。
三層の保存セット
- 編集セット:制作ファイル、配置画像、使用フォントの記録、原稿
- 確定セット:校了した本文PDF、表紙PDF、指示書、変更履歴
- 送信セット:アップロードしたZIP、受付完了の記録、送信日時
編集ファイルを渡す契約や将来の改訂がある場合は、元データの扱いも事前に決めます。フォント本体など再配布できない素材は含めず、入手元と名称を記録します。
版番号と変更履歴を対応させる
版番号は日付だけでなく、順序が明確な番号を使います。履歴には「誤字修正」ではなく、章名とページ、変更内容、確認者を書きます。表紙だけ直した場合も本文と同じ版セットを新しく作り、どの組み合わせを送ったか曖昧にしません。
- 校正反映前のスナップショットを保存する。
- 反映後にPDFを再出力し、ページ数を照合する。
- 確定版を読み取り専用の保管場所へ複製する。
- 送信ZIPと受付記録を同じ版フォルダへ追加する。
復元できるかを試して初めてバックアップ
別の場所へ編集セットを複製し、制作ファイルを開いて画像リンクや書体警告を確認します。確定PDFの先頭から末尾を開き、送信ZIPも解凍します。ファイルが存在するだけでなく、必要な内容を読めることが基準です。ZIPの解凍テストと同時に行えます。
同期を保管と混同しない
作業フォルダをクラウド同期していても、破損したファイルや削除操作が全端末へ伝わる可能性があります。版履歴があっても保存期間外になることがあります。少なくとも一つは日常の同期から切り離し、保管後に不用意に編集しない場所へ置きます。
入稿版を閉じる前の記録
- 編集・確定・送信の三セットがそろう
- 表紙と本文の版番号が同じ
- 変更履歴から修正箇所をたどれる
- 二つ以上の独立した保存先でファイルを開けた
- 再送が必要なら再入稿手順に従い新しい版を作る
この記録を残せば、増刷や修正版を作るときも、印刷済みの基準版を壊さずに次の作業を始められます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
クラウドストレージに保存していればバックアップになりますか?
同期だけでは、誤削除や破損が他端末にも反映されることがあります。版履歴の保持期間を確認し、同期先とは独立した媒体にも確定版を保存してください。
どのタイミングで版番号を変えますか?
校正戻しの反映、入稿、印刷所からの再入稿依頼など、第三者へ渡す節目で上げます。細かな自動保存とは分け、版ごとの変更点を短く記録します。
元データとPDFのどちらを優先して残しますか?
役割が違うため両方必要です。元データは将来の修正、確定PDFは実際の印刷内容の再現、送信ZIPは提出証跡として保管します。



