縦書き原稿は、同じ文章でもソフトやフォントが変わると、ルビ、句読点、ダッシュ、数字、改ページの位置が変化します。編集ファイルだけを渡して再現を任せず、「直す元データ」「正しい見た目のPDF」「例外を説明する指示」を一組にします。
受け渡しの完成形
本文の元ファイル、全ページの確認PDF、フォント名一覧を基本セットとし、依頼範囲や制作環境に応じた必要物は依頼先と調整します。縦中横、ルビ、傍点、圏点、二倍ダーシ、外字がある場合は、該当箇所をページ番号と本文の一部で特定した指示書を加えます。PDFは再現結果を照合する見本です。
渡す前の整備
- 章別ファイルを一つにまとめ、掲載順を確定する
- 空行の連打をやめ、章替わりを改ページで指定する
- 全角数字、半角数字、漢数字を用途ごとに統一する
- ルビと傍点を検索し、親文字の範囲を読み直す
- 空白ページ、改丁、見開きを指示書へ記録する
WordならWordからPDFにする方法で確認見本を作ります。
崩れやすい文字を見る
「12月」なら数字の「12」だけを一字幅へ収めて「月」は通常の縦組みにするか、「一二月」と縦に並べるかなど、対象範囲を作者の意図に合わせます。三点リーダーや二倍ダーシを似た記号で代用すると向きが変わります。ルビは親文字の範囲がずれると隣語にかかるため、短い語、長い熟語、記号に隣接する箇所を優先します。
指示する項目
- 判型、右綴じ、縦書き、段組み数
- フォント、サイズ、行数、字数
- 章の開始位置、改丁、空白ページ
- ノンブルを隠すページと数え始め
- 保持する記号、ルビ、縦中横
変更してよい箇所と原文どおり残す箇所を分けます。異なる原稿が混ざる本は形式別の制作準備で台割も整理します。
受け渡しの失敗
共有先にないフォントが置換される、Googleドキュメントへ貼って縦書き情報が失われる、PDFだけで誤字を修正できない、元データだけで正解が分からない問題があります。フォントファイルは許諾を確認せず同梱せず、正式名称と入手先を伝えます。
返却データの最終確認
- 原文との文字比較で欠落や置換がない
- 章替わりと空白ページが確認PDFに合う
- ルビ、縦中横、約物の向きと位置が正しい
- 右綴じのページ順と見開きが正しい
- 修正が元データ、再校PDF、指示書へ反映された
相違はページ番号と文字列で返すことが、修正位置を明確に伝える方法です。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
縦書き原稿はPDFだけ渡せばよいですか?
PDFは見た目の確認向けですが、修正には元データが必要です。編集可能な原稿、確認PDF、特殊組版の指示書を一緒に渡します。
使用したフォントファイルも送りますか?
利用許諾を確認せず送ってはいけません。正式名称、ウェイト、入手先を伝え、共有が認められる場合だけ許諾条件に従います。
縦中横にする数字はどう指定しますか?
対象文字、章名、確認PDFのページ、行位置を添えます。全ての二桁数字か、日付など一部だけかも明記します。



