同人誌の組版は、原稿の文字や図版を一冊の読み方に合わせて配置し、印刷可能なページへ仕上げる工程です。書体と文字サイズを決めるだけでなく、余白、行送り、段落、改ページ、柱、ノンブル、扉、目次などへ共通ルールを適用します。ただし校正、表紙デザイン、入稿代行が自動的に含まれるわけではありません。
組版の中心になる作業
- 判型と綴じ方向に合わせたページ設計
- 本文、見出し、会話、引用などの文字スタイル設定
- 章開始、空白ページ、改ページの整理
- ノンブル、柱、目次、奥付の配置
- 画像配置と印刷用PDFの書き出し
作品によって必要な作業は違います。小説なら禁則やルビ、漫画なら台詞の配置、写真集なら画像の色と裁ち落としが中心になります。依頼内容を作るなら小説組版の準備も参考にしてください。
別料金になりやすい境界を言葉にする
誤字脱字を探す校正、文章を整えるリライト、表紙・ロゴの制作、印刷所への注文や入稿は、組版とは別の専門作業です。「読みやすくしてください」だけでは、どこまで修正してよいか判断できません。見積もり時に作業名、対象ページ、納品物、修正回数を表にします。
- 原稿をページへ流し込むまで
- 見本組みを作り、設計を確定するまで
- 全ページを組み、初校PDFを出すまで
- 修正を反映し、入稿PDFを納品するまで
依頼例を作業へ分解する
「縦書き小説120ページを本にしたい」という相談なら、判型、本文書体、ルビ、章扉、目次、奥付、印刷所テンプレート、希望納品形式を確認します。誤字チェックも望むなら、校正と感想の違いを踏まえ、組版と別の納期を設けます。元データが必要なら契約時に条件を加えます。
起こりやすい認識違い
発注者は「二回まで修正」を全文差し替えも含むと考え、制作者は誤植の微修正だけと考えている場合があります。また、組版後のページ数を見てから判型を変えると、全ページの再作業になります。見本組みの承認時点と、原稿を確定する締切を明記してください。
契約前に確定する項目
- 組版する本文と付属ページの範囲
- 校正、画像補正、表紙、入稿代行を含むか
- 見本組みと修正ラウンドの数え方
- 完成PDFと編集元データのどちらを受け取るか
- 修正回数、費用、納期変更の条件
この五点を見積書やメッセージへ残すことで、組版の質だけでなく、完成までの責任範囲を双方が同じ言葉で判断できます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
組版を頼めば誤字もすべて直してもらえますか?
通常、組版と校正は別工程です。明らかな異常を連絡してもらえる場合はありますが、誤字脱字の検出まで必要なら校正作業として範囲、回数、費用を確認してください。
表紙デザインも組版に含まれますか?
本文組版と表紙デザインは別メニューのことが多いです。扉や目次など本文内のデザインも境界が分かれるため、対象ページを一覧にして見積もりを依頼します。
完成PDFだけ納品してもらえば十分ですか?
今回の印刷だけなら完成PDFで足りる場合があります。増刷時の修正や別判型への展開を想定するなら、編集元データの納品可否、追加料金、利用条件も事前に決めます。



