納品形式は「多いほど安心」ではありません。印刷所へそのまま入れるPDF、内容確認や告知に使う画像、後日編集するための制作データは目的が違います。使わない元データへ追加料金を払い、必要な表紙画像を受け取り忘れることもあるため、利用場面を先に並べます。
結論:用途ごとに必要な一式を指定する
入稿を任せないなら、印刷所仕様に合う入稿用PDFまたは画像が必要です。通販告知には書影やサンプル画像、再版時に自分で直すなら編集可能な元データを検討します。ファイル形式だけでなく、寸法、色、解像度、ページ構成も合意します。
三種類の役割
本文のページ順と文字配置を固定しやすく、印刷所指定が合えば入稿に使えます。ただし、塗り足し、フォント埋め込み、単ページ指定などの条件を満たす必要があります。
画像
表紙入稿やSNS告知、商品サンプルに使います。JPEG、PNG、TIFFなど用途で形式が異なり、入稿用とWeb用を同じ設定にしません。
元データ
制作ソフトで再編集できるファイルです。ソフトの版、フォント、リンク画像、プラグインがなければ完全に開けないことがあります。
決め方の手順
- 入稿、告知、再版、電子公開の予定を列挙する
- 各用途で誰が編集と書き出しを担当するか決める
- 印刷所や販売先の最新仕様を確認する
- 必要な形式、サイズ、色、命名を見積もりへ書く
- テストファイルが開く環境を用意する
印刷PDFの確認項目はPDF書き出し設定も参照します。
依頼時の具体例
「本文は○○印刷所のA5単ページ入稿用PDF、表紙は指定テンプレートに配置した入稿データ、告知用に表紙のRGB画像を希望します。元データは不要です」のように用途と仕様を結びます。印刷所未定なら、その状態で作れる範囲と、決定後に必要な再調整費を尋ねます。
元データを選ぶ判断基準
- 増刷時に奥付や価格を自分で変える予定がある
- 対応ソフトと必要フォントを用意できる
- リンク素材の利用条件を引き継げる
- 元データ納品の追加料金を許容できる
当てはまらないなら、完成PDFと将来の修正依頼条件を確保する方が扱いやすい場合があります。詳しくは元データ納品の判断で確認してください。
受領時の失敗を防ぐ
拡張子だけを見て完了にせず、全ファイルを開きます。PDFはページ数とフォント、画像は寸法と色、元データはリンク切れを確認します。クラウドリンクには期限がある場合があるため、契約上許可された場所へ保存し、バックアップを取ります。
最終チェック
- 納品物を用途別に見積書へ記載した
- 印刷所の指定と一致している
- Web用と印刷用を区別した
- 編集環境と素材ライセンスを確認した
- ファイルを開き、内容と不足を納品期限内に報告した
依頼先の納品ポリシーや販売先の仕様は更新されます。必ず現在の案内を確認し、必要な二次利用は利用範囲にも明記します。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
PDFがあれば元データは不要ですか?
そのまま入稿・再版でき、自分で内容を変更しないなら不要なことがあります。将来の修正方法と再書き出しを誰へ頼むかも決めて判断します。
告知画像は入稿用の表紙画像を縮小すればよいですか?
印刷用は色や容量がWebに不向きな場合があります。RGBへ変換した適切な寸法の画像を別途用意し、文字の読め方も確認します。
元データを受け取れば自由に編集できますか?
契約上の利用範囲と素材・フォントのライセンスによります。納品された事実だけで権利が移るとは限らないため、編集と再利用の可否を確認してください。



