校正記号は紙面で修正を伝えるための便利な共通語ですが、知らなければ依頼できない資格ではありません。ページと場所を特定し、原文、修正候補、理由、作者の採否を対応させられれば作業できます。自分と相手が同じ指摘を迷わず追える形式を選ぶことが結論です。
選べる四つの伝達方法
- PDF注釈:完成ページ上の場所とコメントを直接結ぶ。
- 変更履歴:文章ファイル内で削除・追加を比較する。
- コメント機能:原文を残したまま疑問や候補を示す。
- 指摘一覧:番号、ページ、原文、候補、理由、採否を表で管理する。
組版後の原稿には完成PDF校正の観点を使い、ページ番号を必ず固定します。漫画はページに加えてコマと吹き出し番号も付けると明確です。
最初の一ページで形式を試す
- 相手が使えるファイル形式と、自分が確認できる環境を伝える。
- 一ページへ複数種類の指摘を入れてもらう。
- 指摘番号と修正位置が一対一になっているか確認する。
- 作者の回答欄を、採用・不採用・要相談に統一する。
- 納品時のファイル名と版番号の付け方を決める。
再校時には前回指摘の反映状況を同じ番号で確認します。PDF注釈が表示ソフトによって見え方を変える可能性もあるため、返却直後に全コメント数が合うか確かめます。
伝達ミスの具体例
「上の方の『彼』を『彼女』に」とだけ書くと、同じ語が複数あるページでは場所を特定できません。「p.24、二段落目、冒頭『彼は窓を』の『彼』」のように示します。また、修正済み原稿だけを受け取り変更履歴がないと、作者が意図的表現まで変わったことに気づけません。
校正記号を使う場合も、独自の意味で流用せず凡例を確認します。分からない印は推測して反映しないで質問します。
作業完了の確認
- 全指摘に固有番号がある
- 原文と位置を一意に特定できる
- 採用・不採用・要相談が埋まっている
- 版番号とコメント数を照合した
- 最終版で反映箇所を再確認した
相談が必要な指摘
正誤が一つに決まらない箇所には、修正命令ではなく質問の印を使います。「意味はAとBのどちらか」「意図した繰り返しか」のように選択肢を添えると、作者は早く回答できます。回答を受けたら指摘一覧へ結論を残し、本文だけを直して会話履歴に埋もれさせません。再校担当も、なぜその表現を残したか確認できます。
指摘一件の最小構成
記号を使わない場合も、修正担当が一意に場所と意図を特定できる形へそろえます。
必ず含める三要素
- ページと行・吹き出しなどの位置
- 現在の文字列と修正候補
- 判断が必要なら理由または質問
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
手書きの赤字を読めない場合はどうしますか?
申し込み前にデジタル注釈や指摘一覧で納品できるか相談します。見本を一ページ確認し、双方が読める方法へそろえます。
ページ番号がない原稿では位置をどう示しますか?
章名、段落冒頭、原文の引用、指摘番号を組み合わせます。組版後は通しページを付けたPDFへ切り替えます。
修正を採用しない場合も記録が必要ですか?
必要です。不採用と理由を残すと、同じ指摘を再校で繰り返さず、意図的表現だと共有できます。



