誤字脱字だけを頼むときは、短い依頼だからこそ範囲を厳密にします。「読みやすく直す」や「表現を整える」は含めず、文字の抜け、重複、明白な変換誤りなど、機械的に判断しやすい項目へ絞るのが結論です。文体へ触れてほしくないことも明記します。
一ページの校正依頼書
- 作品名、ジャンル、文字数またはページ数
- 対象:誤字、脱字、重複、明白な変換誤り
- 要相談:助詞、慣用表現、意味が複数取れる文
- 対象外:語尾の好み、文体、構成、展開への提案
- 固有名詞表と、意図的な表記の一覧
- 希望する納品形式と期限
固有名詞は通常の辞書では誤りと判断されやすいため、人物名と用語の確認表を添えます。意図した崩し表現も「誤りではない」と先に示します。
依頼から反映までの手順
- 内容を確定し、校正中は元原稿を編集しない。
- ページ番号や段落位置を特定できるファイルを渡す。
- 冒頭数ページで指摘粒度を確認し、範囲のずれを直す。
- 納品後、変更履歴を一件ずつ採用・保留・不採用へ分ける。
- 反映後のPDFで、修正により新しい脱字が生じていないか読む。
表記ゆれまで含めたい場合は、誤字脱字とは別項目として表記統一表の作成を追加します。追加料金や納期が変わるかも申し込み前に確認します。
具体例で境界を合わせる
「昨日は雨だっただ。」は語の重複として対象にできます。一方、「昨日は雨だった。静かな夜だった。」の語尾を変える提案は文体調整なので対象外、と例示します。「十分」と「充分」の選択は誤字ではなく表記方針です。この違いを示すだけで、余計な赤字と見逃しの双方を減らせます。
失敗しやすいのは、校正返却後に大幅な追記をして、そのまま完成扱いにすることです。変更部分には再校正が必要だと考えます。
納品後の最終確認
- すべての指摘に採否を付けた
- 意図的表記が勝手に統一されていない
- 修正箇所の前後を声に出して読んだ
- 新規追加文を別途確認した
- 最終PDFのページ抜けと文字化けを見た
入稿期限から逆算する
返却日を入稿前日に置くと、指摘の採否や再確認ができません。作者が判断する日、本文へ反映する日、PDFを書き出す日を別に確保します。校正者の作業日数だけでなく、自分側の処理時間を見積もることが重要です。判断に迷う指摘を質問できる回数と返答期限も先に決めておくと、未解決のまま入稿する事態を避けられます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
「誤字脱字のみ」と書けば範囲は伝わりますか?
人によって明らかな誤用や助詞抜けを含めるかが違います。対象例と対象外例を一つずつ示し、迷う箇所は指摘だけにするなど判断方法も伝えます。
修正済み原稿と指摘一覧はどちらがよいですか?
自分で採否を決めたいなら変更履歴や指摘一覧が向きます。時間を優先するなら修正済み原稿も候補ですが、変更箇所を追跡できる形式を選びます。
校正後に文章を追加しても大丈夫ですか?
追加部分は未校正になります。追加や大幅変更は別の色で管理し、少なくとも変更箇所を再点検してから入稿します。



