禁則処理は、句読点や括弧が読みにくい位置へ分離しないよう、改行位置を調整する仕組みです。オンにすれば終わりではなく、追い込みや追い出しの結果として生まれた広い字間を点検して初めて、自然な本文になります。
行頭・行末の症状を先に見る
行末に収めるため字間を少し詰めるのが追い込み、対象文字を次行へ送るのが追い出しです。短い行が多い段組では一文字送る影響が大きく、追い込みが自然なことがあります。反対に、ぎりぎりまで詰めて黒く見える行は追い出した方が読みやすくなります。一行だけでなく、前後三行の濃度と単語の切れ目を見て選びます。
禁則をかける文字と範囲
閉じ括弧、句読点、感嘆符などを行頭へ残さず、開き括弧を行末で孤立させないことが基本です。ただし一文字を前後の行へ送ると、その行の字間が変わります。本文スタイルへ共通の禁則設定を与えたうえで、極端に詰まる行・伸びる行だけ個別に検討します。
直し方が新しい崩れを作る例
- 問題の文字だけに空白を足し、検索や再配置で位置が崩れる
- 一箇所だけ文字サイズを下げ、行の濃さとベースラインが変わる
- 禁則設定を本文ごとに変え、同じ記号の挙動が章間で揺れる
- 編集可能な原稿だけ見て、入稿PDFの置換結果を確認しない
段落スタイルへ設定する
- 本文で使う括弧、句読点、ダッシュ、三点リーダ、感嘆符などを抽出する
- 組版ソフトの日本語段落コンポーザーと禁則セットを選び、段落スタイルに登録する
- 代表章を書き出し、行頭の約物と行末の開き括弧を検索・目視で洗い出す
- 不自然な行は段落全体の字間、約物幅、語句の送られ方を見て修正する
記号そのものの表記が揺れている場合は、先に会話文と記号のルールを確定すると禁則設定を作り直さずに済みます。
三行続けて濃度を判定する
- 句読点や閉じ括弧が行頭に孤立していない
- 開き括弧が行末に取り残されていない
- 字間が目立って広い行・黒い行が連続しない
- ぶら下がり組みとの併用ルールが全章で同じ
拡大表示では微差が大きく見えます。最後は実寸相当で数ページ続けて読み、視線が改行で止まらなければ適切な禁則処理です。
修正箇所にはページ番号と行頭の語を残し、再書き出し後に同じ場所を照合します。直した一行が次行の禁則を生んでいないことまで確認して、チェックを閉じます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
禁則文字の一覧は作品ごとに変えてよいですか?
基本的な句読点や括弧は共通ルールにし、感嘆符の連続や特殊記号など作品固有の扱いだけ追加すると管理しやすくなります。
一行だけ字間が広いときは文字を削るべきですか?
まず追い込み・追い出しや段落設定を確認します。文章の意味を変える修正は著者判断なので、組版上の都合だけで削らないでください。
縦書きと横書きで確認箇所は同じですか?
禁止する文字の考え方は共通ですが、約物の位置や回転、欧文の混在で見え方が変わります。採用する組み方向のPDFで点検します。



