詩歌では、文字の内容だけでなく改行、字下げ、空白、ページ上の位置が表現を担います。通常の文章のように読みやすさだけで自動調整すると作品を変えてしまうため、動かしてよい範囲を明示して依頼します。
結論:テキスト原稿と配置見本に指示をひも付ける
コピーできるテキストには正確な文字を、PDFの配置見本には意図した見え方を持たせます。各作品へ固有番号を振り、「改行固定」「字間調整可」「必ず右ページ」などの指示を番号にひも付けます。担当者は入力ミスを避けつつ、表現上の余白を確認できます。
依頼資料の作り方
- 作品ごとにタイトルと番号を付け、最新版の本文を一つのファイルへまとめる
- 改行位置、連続空行、全角空白、字下げを見える記号で注釈する
- ページ中央、天寄せ、見開き配置など希望を簡単なPDFで示す
- 書体やサイズは雰囲気の希望と、変更不可の条件を分けて書く
- 初校では文字校正と配置校正を別々の色で指示する
作品をどの面から始めるかは改ページと改丁、ページ全体のリズムは作品集のレイアウト設計も参考になります。
判断基準と具体例
一字下げが引用を示すなら固定し、単にWord上で中央に見せるための空白なら組版側で再設計できます。「夜」という一語をページ下部へ置く作品では、その距離自体が意味を持つかもしれません。位置が重要なら版面からの相対位置を指示し、判型が変わった場合の許容範囲も書きます。短歌を一ページ一首にするか複数首にするかは、連作の切れ目とページをめくる間を優先して比較します。
避けたい失敗
- 空白文字だけで位置を作り、フォント変更で全体がずれる
- 組版担当者が改行を直してよいか判断できない
- 初校で本文修正と配置変更を同時に大量に出す
- 見開きの左右を単ページPDFだけで確認する
一首だけで受け渡しを試す
全作品を送る前に、字下げ、空行、ルビを含む一首または一編を選び、原稿・見本PDF・必要な指示を一組にして試します。
- 改行と空行が一致する
- ページ内の上下位置が見本どおり
- 変更禁止箇所を双方が説明できる
試作の相違を指示表へ反映してから全編へ進みます。
納品前の確認表
- 原稿番号と台割の作品順が一致する
- 句読点、空白、改行を原稿と一行ずつ照合した
- 余白の広いページに不要な柱やノンブルがない
- 印刷条件は利用する印刷所の商品仕様で確認した
最終PDFを見開きで通覧し、余白の長短が意図した呼吸を作り、各作品の境界が誤解なく伝われば完了です。
著者校正では「違和感がある」だけで終えず、文字、位置、余白、順序のどれを変えるか指示します。あえて残す空白にも確認済みの印を付けると、制作側による意図しない調整のリスクを減らせます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
Wordの見た目をそのまま再現してもらえますか?
参考にはなりますが、用紙サイズや書体が変わると位置も変わります。再現必須の箇所と、調整してよい箇所を分けて伝えてください。
空行が一行か二行かを確実に伝える方法は?
編集可能な原稿に記号付きの注釈を入れ、完成イメージPDFも添えます。空白文字の連打だけでは判別しにくいので避けます。
一首ずつ改ページするか迷っています。
作品数、総ページ数、読む速度を台割で比較します。印刷条件にも影響するため、候補を作り、利用する印刷所の商品仕様を確認して決めます。



