本の形式が違えば、先に確定すべき項目も変わります。小説本は読み続けられる文字組み、漫画本は原稿寸法と階調、作品集は画像品質と見開きの流れが中心です。共通仕様と形式固有の準備を分けると、入稿直前の作り直しを減らせます。
主役の素材から仕様を決める
文章が主役なら一ページの文字量、漫画なら仕上がり枠、写真やイラストなら実寸解像度を最初に検証します。代表的な数ページを仮の判型で作り、読めるか、見えるか、費用に収まるかを比べます。
小説本の準備
- 本文を一ファイルへ統合し、見出し階層を統一する
- 章扉、目次、あとがき、奥付を含む掲載順を作る
- 縦横、フォント、文字サイズ、行数、余白を試す
- ルビ、傍点、縦中横、改ページの指定を抽出する
縦書きの注意点は縦書き原稿の受け渡し方で確認します。
漫画本の準備
- 全ページの寸法、解像度、カラーモードを統一する
- 塗り足し、断ち切り線、内枠へ重要要素が収まるか見る
- 網点の拡大縮小や重ね貼りによるモアレを確認する
- 見開きと右綴じ・左綴じの順番を照合する
綴じ方向を途中で変えると全ページの左右が変わるため、ネーム段階で固定します。
作品集の準備
- 元画像を保持し、入稿用は複製から作る
- 作者名、作品名、制作年、掲載可否を管理する
- 見開き中央で失われる範囲を確認する
- 色校正の要否と画面との差の許容範囲を決める
低解像度画像を拡大しても細部は戻りません。印刷画像の解像度を基準に原寸で検査します。
形式を混ぜる場合
小説、漫画、カラー口絵をまとめる本では全体の台割を作り、「1〜4ページは口絵、5ページから本文」と配置を確定します。カラーとモノクロの混在が商品で可能か、用紙が途中で変わるかも印刷所へ確認します。白紙も一ページとして扱い、本文ページ数の数え方で照合します。
失敗例
- 小説を文字数だけで見積もり、章扉追加で背幅が変わる
- 漫画を判型変更後に縮小し、トーンへモアレが出る
- SNS画像しか残らず、作品集の原寸で粗く見える
- 合同作品のファイル名が不統一で掲載順を取り違える
開始前の最終確認
- 本の主役と読者の読み方を説明できる
- 代表ページを実寸で確認した
- 素材の形式、解像度、掲載順が一覧になっている
- 扉、目次、奥付、白紙を台割へ含めた
- 形式固有の検査担当を決めた
形式ごとの弱点を先に検査することが、完成度と予算の両立に役立ちます。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
小説と漫画を一冊にまとめるとき、何から決めますか?
綴じ方向と判型を共通条件として決め、全作品を並べた台割を作ります。最終PDFのページ寸法と掲載順も統一します。
作品集にはSNS用の画像を使えますか?
掲載寸法で必要画素数を満たせば使えますが、SNS側で圧縮されていることがあります。元画像を優先し、入稿PDFを原寸表示して確認します。
形式ごとに別の人へ依頼しても大丈夫ですか?
可能です。判型、綴じ方向、ページ番号、色、ファイル名規則を共通仕様書にまとめ、最終的に一人が全体の整合を確認します。



