校正、校閲、リライトは、名前より実作業で区別します。誤字を指摘するのか、事実や論理の疑問を示すのか、文章を新しく書き換えるのかを、納品物と権限の単位で決めます。「文章をいい感じに」は境界がないため、予算・納期・作品の声がすべてずれる原因になります。
作業を三列に分ける
- 校正:文字、表記、文法、組版上の誤りを探し、指摘または修正する。
- 校閲:事実、設定、論理、前後関係を調べ、疑問と根拠を示す。
- リライト:目的に沿って語句、文、段落、場合によっては構成を書き換える。
実際のサービスは組み合わせ型も多いので、「この名称なら含むはず」と推測しません。事実調査が必要なら事実確認の主張リストを別紙にします。
境界表を依頼書にする
- 確認対象を誤字、表記、事実、設定、文体、構成へ分ける。
- 各項目を「指摘のみ」「修正案」「本文を直接修正」のいずれかにする。
- 原文を残す方法と、作者が採否を決める手順を指定する。
- 試しに一ページを処理し、赤字の量と説明粒度を確認する。
- 範囲外の問題を見つけた場合の連絡方法を決める。
作者の語り口を保つ場合は残す文体の定義を添えます。全編の準備項目は小説校正の依頼前リストへ統合できます。
よくある食い違い
「校正」を頼んだ作者は語尾の改善まで期待し、受注者は誤字だけを確認していた、という例があります。反対に、誤字だけのつもりが本文を大きく書き換えられ、元の声へ戻す作業が増えることもあります。冒頭サンプルで実際の一件を見れば、言葉の定義より早く差を発見できます。
追加依頼を口頭だけで広げるのも失敗です。範囲が変わるたびに料金、納期、再校の対象を更新します。
合意前の最終確認
- 対象項目と対象外を表にした
- 書き換え権限を項目ごとに決めた
- 原文と修正案を一件ずつ照合できる
- 修正回数と追加作業の扱いが明記されている
- 権利、機密、実績公開の条件を確認した
境界が見える依頼書は、相手を縛るためではなく、判断を作品の持ち主へ戻すための道具です。
見積比較のコツ
複数サービスを比べるときは、料金だけでなく同じ短い原稿と同じ境界表を提示し、返却内容を比較します。指摘数が多い方が優れているとは限りません。理由が分かるか、作者の意図を質問しているか、対象外を守っているかを見ます。納品後に作者が採否を処理できる形式かどうかも、総作業時間へ大きく影響します。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
校閲には文章の書き換えも含まれますか?
サービスによって異なります。事実・整合性の指摘だけか、修正文案まで出すか、本文を直接変更するかを確認します。
リライトを頼むと作者名義で使えますか?
権利やクレジットの扱いは契約条件によります。用途、著作権、実績公開、秘密保持を申し込み前に確認し、合意内容を記録します。
途中で依頼範囲を広げられますか?
可能かは依頼先と日程次第です。追加箇所、料金、納期、再確認の範囲を合意してから作業を追加します。



