グレースケールとモノクロ二値は、ページ単位ではなく表現の性質で使い分けます。写真や水彩、鉛筆のように滑らかな濃淡を残したい素材はグレースケール、輪郭線と規則的な網点で構成された漫画原稿はモノクロ二値が主な候補です。白黒に見えるという理由だけで全ページを同じ方法に変換すると、階調や細線を失います。
素材を四種類に仕分ける
- 写真・ぼかし・淡い陰影がある画像
- 黒い輪郭と白地だけの線画
- 網点で濃度を表す漫画原稿
- 線画と写真が同居する混合ページ
一つ目は階調の連続性、二つ目と三つ目は線や点の輪郭、四つ目は両方が判断材料です。必要な解像度や保存形式は商品によって異なるので、数値を決め打ちせず利用する印刷所の商品仕様を確認します。
変換は複製した原稿で試す
元データを残し、変換版を別ファイルにします。画像を仕上がり寸法に置いた状態で、最も薄い線、最も細かな網点、最も暗い写真を選びます。画面の全体表示だけでなく原寸相当でも見て、線の欠け、黒つぶれ、背景の汚れ、網点の縞を確認してください。解像度との関係は画像解像度の記事で整理できます。
- 濃淡が段階状に割れていないか
- 白に近い線が完全に消えていないか
- ベタの中に不要な灰色が残っていないか
- 縮小後の網点に波模様が出ていないか
写真入り漫画ページの実例
背景写真の上に二値の人物線画を置くページでは、完成ページ全体を早い段階で一方式へ潰さないことが重要です。写真は階調を保ったまま調整し、線画は輪郭を守れる状態で重ね、最後に印刷所が受け付ける形式へ統合します。統合後に線が灰色になった場合は、黒の作り方も黒色設定の確認と照らし合わせます。
やり直しになりやすい処理
完成済みの二値画像を縮小してから再び二値化すると、点の並びや線幅が変わりやすくなります。また、しきい値を一律に動かして薄い線を救うと、紙の汚れや下書きまで黒くなることがあります。局所調整と全体変換を分け、必ず元画像から再出力してください。
白黒原稿の確定前検査
- 各ページを写真・線画・網点・混合に分類した
- 変換前の編集可能データを保存した
- 薄線、暗部、細網点を仕上がり寸法で見た
- モアレ対策を行い、不用意な拡大縮小を避けた
- 印刷所指定のカラーモードと保存条件を満たした
この検査で形式名だけでなく、残したい表現が実際に残っていることを確認できた版を入稿データにします。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
漫画本文は必ずモノクロ二値にすべきですか?
必ずではありません。線画や網点中心なら候補ですが、鉛筆の濃淡や写真を含むページはグレースケールが適する場合があります。利用する印刷所の商品仕様と原稿表現の両方で決めます。
グレースケール化したら薄い線が消えました。どう直しますか?
上書きせず元画像へ戻り、線の濃度と背景との差を調整してから再変換します。全体を一律に濃くする前に、重要な線だけを原寸で見直してください。
二値原稿の網点に模様が見えるのはなぜですか?
拡大縮小や再ラスタライズで網点の周期が干渉し、モアレが生じている可能性があります。元の大きさと角度を確認し、不用意なサイズ変更を避けます。



