支給イラストを使う表紙では、デザイン作業の前に「何を変えてよいか」を確定します。人物を少し移動する、背景を延長する、色を整えるといった処理も、作者の意図と利用許諾の範囲に含まれるか確認が必要です。
支給イラストの受入票
権利メモには表紙、通販、告知への使用可否、加工の許容範囲、クレジットを記載します。配置メモには切ってはいけない部分、文字を重ねられる範囲、左右反転の可否を示します。デザイナーが推測せず判断できる状態にしてから元データを共有します。
画像と加工の受入判定
人物の目線の先には余白を残すと、タイトルやあらすじを自然に置けます。顔や指先を断裁線の近くへ置かず、背をまたぐ場合は製本ずれで欠けても意味が変わらない構図にします。背景が塗り足しまで届かないときは、勝手に引き伸ばさず、延長、単色追加、配置縮小の三案を作者へ提示します。小さな一覧表示で主役が判別できるかも確認します。
表紙全体の依頼条件は表紙デザイン依頼書にまとめると、素材だけが別経路で更新される事故のリスクを減らせます。
再入手を招く情報不足
- SNS掲載用の縮小画像を元データとして渡す
- 許可を取らずに反転、加筆、強い色補正を行う
- 重要な顔を背や断裁位置へ寄せる
- イラストの版が変わったのに旧画像で表紙を校了する
- クレジット表記を奥付担当へ伝えない
受け取りから配置まで
- イラスト制作者との依頼文・納品条件から利用範囲を再確認する
- 再圧縮や拡大をしていない、入手可能な最高品質の元データを受領し、色空間、縦横寸法、レイヤー構成を記録する
- 顔、手、署名など断裁や文字重ねを避けたい領域を確認画像へ描く
- 正式テンプレートと、綴じ方向・背幅の仕様メモを添える
- 初稿でトリミング、色、重要部の見え方をイラスト制作者にも確認する
素材版と納品版を照合する
- 使用する画像と許諾記録が一対一で対応する
- 原寸で画質と不自然な拡大がない
- 文字が絵の焦点と競合せず判読できる
- 断裁・背・折り位置の影響を見開きで確認した
絵の魅力を保ったまま本として必要な情報が読め、制作者全員が加工内容を説明できれば、支給データの扱いは適切です。
校了時にはイラスト制作者へ最終表紙を見せ、初稿から変わった切り取りと色を確認してもらいます。承認の記録を残し、再版時にも同じ加工範囲を参照できるようにします。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
イラストレーターの許可があれば自由に加工できますか?
許可された範囲によります。トリミング、色補正、文字重ね、反転、告知利用を個別に確認し、記録をデザイナーへ共有します。
統合画像とレイヤー付きデータはどちらを渡しますか?
合意した納品条件に従います。背景と人物を調整する必要があるなら、許可された範囲でレイヤー付きデータが役立ちます。
小さい画像しかない場合は拡大できますか?
拡大だけでは細部が戻らず、表紙サイズで粗く見える可能性があります。配置寸法を下げるか、原作者から元データを再取得します。


