良い表紙依頼は「おしゃれにしてください」ではなく、誰に何を感じてほしい本かを制作条件と一緒に伝えます。デザイナーが想像で埋める項目を減らすほど、初稿から作品に合う提案を受けやすくなります。
結論:依頼書を作品・仕様・取引の三部に分ける
作品欄にはあらすじと温度感、仕様欄には判型・綴じ方向・背幅・加工、取引欄には予算・日程・修正回数・納品形式を書きます。未定項目は空欄にせず「相談希望」「本文確定後に更新」と状態を示します。見積もりに必要な前提を共有しやすくなります。
準備の手順
- タイトル、著者名、サークル名、巻数、年齢区分など掲載必須文字を校正する
- ジャンル、あらすじ、読後感、想定読者を三百字程度でまとめる
- 使用するイラスト・写真・ロゴの権利、サイズ、トリミング可否を確認する
- 印刷仕様とテンプレートを用意し、未確定なら決定予定日を書く
- 希望納期から初稿確認、修正、入稿の締切を逆算する
依頼範囲に迷う場合は表紙だけか装丁全体かを先に決め、素材を渡すときは支給イラストの注意を確認します。
方向性の伝え方
「青くて爽やか」だけでなく、「夏の朝の静けさ。明るいが賑やかではない」のように感情と避けたい解釈を添えます。参考表紙を示す場合は「細い明朝体の余白感」「人物を中央に置かない構図」など、借りたい要素を言語化します。既存作品そのものの再現を求めず、作品固有のキーワードを三つ選びます。
依頼書へ添える一覧
- 必須文字のプレーンテキスト
- 素材ファイルと利用条件
- 印刷所テンプレート
- 参考資料と参考にした理由
- 連絡可能な時間帯と返信期限
失敗例
- タイトルの表記揺れを初稿後に修正する
- 加工を後から追加し、構図と見積もりが変わる
- 参考画像を大量に送り、優先順位を示さない
- 著作権や二次利用の条件を納品後に確認する
送信前の最終確認
- 依頼範囲と納品物を双方が数えられる形で書いた
- 予算、支払時期、締切、修正回数が明確
- 秘密情報の取扱いと実績公開の可否を伝えた
- 印刷仕様は利用する印刷所の商品情報と一致する
相手が依頼書だけを読んで見積もりの可否と次の質問を判断できれば準備は十分です。変更が出たら同じ文書の版を上げて共有します。
送信前に第三者へ依頼書を読んでもらい、完成物を想像できるか尋ねるのも有効です。質問が集中した項目は補足し、参考資料のどこを見るべきかリンクや番号で案内します。
制作前に確認する公式資料
仕様・利用条件など、この記事で扱う確認事項に関係する一次資料です。デザインや編集上の判断そのものを保証するものではありません。制作前に利用先の最新条件を確認してください。
リンク確認日: 2026.08.31よくある質問
作品本文を完成させてから依頼すべきですか?
全文必須とは限りませんが、あらすじ、登場人物、結末を含む雰囲気、確定タイトルは必要です。読める範囲は依頼先と相談します。
参考画像は何枚まで送ればよいですか?
数より役割を明確にします。色、文字、構図など各画像の参考にした点を書き、避けたい方向も少数示すと伝わりやすくなります。
予算を先に書くと不利になりませんか?
対応範囲を判断する重要な条件です。上限と、追加料金を検討できる作業を分けて伝えると、現実的な提案を受けやすくなります。



